遺品整理・生前整理特集企画

横尾社長インタビュー第2部

メモリーズ株式会社横尾代表へのインタビュー

メモリーズ株式会社横尾代表へのインタビュー第2部をお送りいたします。
第1部はこちらからご覧いただけます。

横尾社長インタビュー第1部はこちら


質問⑤
『高齢者の住環境を整理して健全な生活を維持していく、生きていくための整理』と題した、福祉整理というサービスをおこなっているのをお見受けして、とても素晴らしいサービスだなーと感銘を受けたのですが、福祉整理について横尾社長から直接お聞きしたかったので、サービス内容や業務の様子を教えてください。

【横尾社長】僕がこの仕事始めた時、一番最初に思ったのが孤独死がめちゃくちゃ多いなぁと。
こんなに孤独死ってあるのかってくらい。
実際今も夏は毎日依頼がありますからね。

その家に行ったときに部屋中がSOSだらけなんですよ。
酒瓶が転がってたり。もう飲むと食べることしかできないような。あとはもう何もできませんっていう。
いわゆるセルフネグレクトって言われる、生きようとしていないような状態の方がそのまま衰弱して亡くなっている。
そうなると大変。

行政は何をやってるの!?と、行政に言ったらもうそういう人が多くて困っていると。
地域はどうかというと、今はもうみんな自分の生活で手いっぱい。
自分が良かったら、自分の家族が良かったら、周り近所はまぁまぁ挨拶ぐらいの程度で。
一人暮らしして、よくわからないけど話しかけても無視される、なんか言ったら怒られる、もうあまりかかわらないでおこうと。

そういう状態で衰弱して亡くなっていく。
それでSOSが部屋の中に充満している
これはなんとかしないといけないと。
そういった方を、国が「見守りましょう!もっと地域コミュニティ見直しましょう!」と、今もう一度見直しをしているような状況なので、そういうので住環境を整えて、また健全に生きていく整理が絶対必要でしょう、というのが根本的にあります。

難しいのは遺品整理と違って本人が依頼者なので、自分が手を挙げて「住環境やばいんです、助けて下さい」という人はいない。
どっちかというとほっとけ触るな!とそういう傾向にあるのでそこでトラブルが起きやすいとも言えます。
そこがすごく難しいところかなと思います。

生前整理というのは亡くなったときに周りに迷惑かけないようにとか、生活をシンプルにしてとか、要はどちらかというと生きている間に物を整理して亡くなった時に周りに迷惑をかけないように!っていうニュアンスが強い。
それがまぁ、その方が生きてもらうための整理でしょ!?と、だから僕は生前整理という名前は使わないんですよね。

僕はこの仕事始めた時っていうのは、もうごみ屋敷で亡くなって死後1カ月とかたくさんありましたけど、少し改善されているような気もするんですよね。
やっぱり孤独死が多いとか、コミュニティをもっともっと声かけしましょう!見守りましょう!というのがちょっと出てきたのかなと。
だから命が発見されて、やっぱりその方をなんとかしていこうという整理が増えてきたなと。

実際、遺品整理件数が多くなるというのは設立当初から言ってましたけど、今そうですしね。
だからだいぶ変わってきたなと。
ものすごく大事な支援かなと。
こういうネーミングがあるとなんかあったときいろいろ相談もしてくれますしね。

【安藤】ありがとうございます。非常に共感できる話がたくさんありましたね。


質問⑥
横尾社長や従業員の方は遺品整理以外にも遺族の精神的なケアや高齢者の生活環境を大事に考え、いくつかの資格をお持ちだと思いますが、その辺についても詳しく教えていただけますか?

【横尾社長】福祉住環境コーディネーター
これは片づけの時にいろんな知識とかアドバイスができるというもので、従業員が本人の意思で取ってもらって、でもこれは行政と密着度が高いんですよ。
福祉整理って、お客様と直でやることってない。
絶対ケアマネージャーさんとか、士業の人とか間に入ってくるんで、そういうときに資格を持ってると断然話が進みやすい。
ヘルパーさんとか取ってる従業員もいますしね。
そういう見方ですかね。

あとは業務的に車両とかも使いますので、整備士もいますけど。

【安藤】トータルでって感じですよね?
遺品整理業だけで見ているわけではなくて、高齢者全般の手助けをしたいというか。

【横尾社長】そうです。
住環境コーディネーターとかもっと権威のあるものになるかなと思ったけどまだまだいまいちですね。

【安藤】確かに今のところメジャーな感じはしないですね。

【横尾社長】まぁけっきょく、そういう資格のことよりもやっぱり片付けの経験の方がよっぽど大事なのかな。

【安藤】もうそこは絶対そうですね。


質問⑦
今まで一番印象に残っているご依頼者様との会話を聞かせてください。

【横尾社長】リサイクルを一切しないでくれ!って言われたことはありましたね。
思いが強くて、他に流したくない。
ここで全部完結したいということで、ブランドバッグとか一緒にナイフで穴あけましたね。
僕ら的にも下手したら何百万くらいのリサイクル品をそこで破棄しました
でもそのトラックで最後帰る時も僕らが曲がるまで頭下げてくれてましたね。
何十m先も。
その思いが強くて。

あと僕、寄付とかもしてるんですが、依頼者としては本来業者に頼めば物が捨てられるから、そこで想いを切ってるんですよ。
頼むってことはここでサヨナラしないといけないと思うわけですよ。
でも逆に今度それがだれかの役に立つ?みたいな、そこでやっぱりすごく心が救われるっていう。

僕はそれは寄付する時は、当然僕らが処分する物が再利用されるとか、もらった人喜ぶんだろうな!とか、そっちばっかり思ってましたけど依頼者が一番喜んでいる
それは僕自身甘かったなと。そういうことが結構多い。
それはヒントになりますよね。
僕らは廃棄するとか、そうやって整理した物を捨てる、というイメージを持たれていますけど、そこを覆したら結構強いんだなとか。

【安藤】本当に依頼者の方ためのリサイクルというイメージですよね?

【横尾社長】僕、前にテレビで言ってましたよね?
このサービスは全然完成されていない!と。
お客さんからもっともっと色んな事学んでいけばどんどんどんどん先に進めるというか、サービスがもっと業界で切磋琢磨すればもっと良くなるんですけどね。

【安藤】本当にその通りですね。ありがとうございます。


質問⑧
大阪を中心に近郊の県や地域にも拠点を置いていらっしゃいますが、大阪などでの大都市での遺品整理事業の難しさはどんな部分でしょうか?

【横尾社長】やっぱり値段に厳しいとこでしょうね。
見積もりの商談をしたら「おお、そうかそうか…、ほんで?」って(笑)やっぱり一番厳しいのはこれ。
大阪は特に値段に厳しい。

飲食でいったら、やっぱり当然安くておいしくなきゃダメなんですよ。
安いだけじゃダメなんです。口が肥えてるんです。
だから店に厳しいんですよ。当然サービスも良くないとダメなんですよ。
安かろうがダメなんですよ。
安くしてサービスを維持しようと思ったら企業は何するのか?
利益を削って競争してるのは昨日今日始めた経験の浅い業種はそうするしかないんですけど、ノウハウとかアピールポイントがないからそうなるんです。

僕らは違うわけですから、そこでどうやって自分たちは利益確保しながらサービスを維持して金額を安くするか。
やっぱり再利用率を上げるとかそういうことになってくる。
うちしかできないとか、そういうことになってくるので、そこをどのように伸ばしていくか?それを毎日考えますよ。
やっぱり自分らでアドバンテージをどこに持つか、またはどのように活かすか、活かし方間違えたら胡散臭いし、ややこしいし、お腹パンパンというか、わかったわかった、という風になる。
そこのアドバンテージの出し方とかすごく考えます。

【安藤】大阪というのは価格+αでサービス力が普通に求められるということですね?

【横尾社長】だからそこで生き残っていくにはただ単に利益だけ削ってたら続かない。
そこをどのようにしていくのか、永遠の課題でもあるし、寄付なんかも僕は最初にやりましたし、空き家整理や、うちは修理もやってますから、こういうのをもっともっとちゃんとやらないと、現状全然その部分をマネジメントできてないんですけど。

アドバンテージはどう持つかなんですね。
そしてそれをどのように活かすか!
そこが一番僕は自分自身に課している課題ですね。

【安藤】昨日深夜に大阪に到着して、タクシーに乗らなきゃ行けなくなっちゃったんですが、タクシーの運転手が言ってたんですけど、5千円超えたら超えた分は大阪では半額にしなきゃいけないんだ!と、東京だとあり得ないし、東京だと深夜3割増しだけど大阪だと2割増しだし、タクシー1つでも結構商売厳しいんだなと感じましたね。

【横尾社長】それでも、それで勝ち残っていくためにはどうすればいいかってことですよね。
5年10年勝ち残っていくためには、やっぱり変化するしかないですよ。
こだわる部分と変化していく部分に対応していく企業が強いと僕は思いますね。

【安藤】その変化して生き残るっていう部分と、サービスの質を上げるっていうのは横尾社長の中では一致しているものですか?

【横尾社長】はい、そうです。
お客さんのニーズにこたえることが生き残っていけることだということですね。

 

横尾社長インタビュー第3部に続く

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