遺品整理・生前整理特集企画

横尾社長インタビュー第3部

メモリーズ株式会社横尾代表へのインタビュー

メモリーズ株式会社横尾代表へのインタビュー第3部。
第2部はこちらからご覧いただけます。

横尾社長インタビュー第2部はこちら


質問⑨
横尾社長は現在も講師として、遺品整理や生前整理などの様々なテーマでセミナーを実施されていらっしゃいますが、過去印象に残っている受講者からの質問はありますか?

【横尾社長】社員に関することが多いですね。
社員をどのように育てていくか!

【安藤】社長とか経営者の方からですね?

【横尾社長】はい。
社員教育の部分の話が多いかな…

【安藤】それ自体はさっき横尾社長が言っていたように社員の方一人ひとりに理念とか気持ちの部分が伝わりづらいという悩みの話なんですかね?

【横尾社長】まぁ、社員一人ひとりにいちいち教えないですしね。
教えないというか、僕もやっぱ現場行きますから、そこでみんな見たら学ぼうとしてるから、盗もうとしてるから、見たらわかる。

それと、失敗したときにその日に僕は失敗した社員に対して思っていることをその時に言いますね。
で、言った後は全力で応援すると。
そういうスタンス。
あんまり俺はこうなんだ、俺もこうだったんだとか、そんなこと言っててもあんまり聞かないですし。

【安藤】じゃあミスとか間違った判断があった時にはその場でぱっと言って終わらせ、あとはもう全力で応援すると。

【横尾社長】はい、応援します。

まぁでもセミナーなんかでは、さっきあったようにどんなお客さんがいたとか、どんな気持ちでやっているのかとか、そういうメンタル的な質問も多いなという印象がありますね。

僕はセミナーに教えに行くってなると、行政の関係もありますが、受講者は社長さんが多くなるので、やっぱり会社をどういった想いでやってるとか、それをどうやって社員と共有できているのかとか、そんなことが多いし、逆に今度みんなそこで困っている。
もちろん困っているということは、そこは代表者の永遠の課題ですよ。

【安藤】横尾社長の受ける印象として、経営者の方とか創業者の方っていうのはどちらかというとビジネス感が強い方というよりは、かなり志があって事業を始めた方が多いなって印象ですかね?

【横尾社長】でも、ビジネス感バリバリの人いますよ。
この業界あと30年は大丈夫でしょ!と言ってる人。
いいんですよ。
僕もしょうもない話ですけど、音楽やる時はモテたいと思いましたもん。
それでいいんですよ!最初は。
でも、やっていく中で奥深さとかあって、こんな風にこの業界やっていくのか!とわかっても、自分はそこはいいと、儲けりゃいいということであれば続かないでしょうしね。
やっぱり、ものすごく難しいですよ。

一時的にはガッといっても、実際は僕10年間、キャリアで言ったら13年ですけど、当初からインターネットの検索順位にしても狙っているキーワードで、ずっとベスト10に入っててやってきてる部分もありますが、10年間ずーっとっていう業者ってあんまりいないんですよ。
僕らがやってこれてるのは、それはなんでかって言うと、業界が育ててくれたんですよ
僕はそこに感謝してる。
僕自分がすごいなんて全然思ってないですよ。
志は高いと思ってますけど。
でも業界が、市場が会社を育ててくれてるんですよ
そこは意外とみんな理解してくれてない!

自分で自分を「なんかすごい」とか、現場行かなくなったりとか、そんなこと思ったりやったりしてたら発信力なくなるんですよ!
こんなに精神力使う仕事なのに、現場行けなかったら鈍りますよ!1年2年という間に溝ができますよ!たぶん。
で、発信力がなくなって、置いていかれる。
志が高い人でも、どんどん置いていかれる。

だから僕は志高い人にも、いつも言ってる、「絶対そうなるな!」と。
業界が大きくて、僕らなんかまだまだな業者であって、毎日必死に現場をこなすイメージ持ってますよ
取材なんかも日程的に無理なら断ってますから、ずっと。
そういう状況の中、「うちは安泰だ」とそう思ったらもう終わりですよ。
業界が育ててくれた。
お前大したことないんだ。
そういった謙虚な姿勢を持ってないと。

【安藤】でも、僕から見たら、横尾社長の方がよっぽど業界をけん引しているようなイメージがありますが!

【横尾社長】全然してないです。
そんなの勝手にマスコミとかが作り上げたのであって、僕はもういつも思ってます。
横尾調子のるな!」と。
俺は業界に育てられた中で、たまたま波に乗っただけで、色んなこと考えてそうやって取り上げてもらったり、業界のいろんな同業者の方もいてくれるからだと、絶対調子に乗らないと!

ここの事務所に帰ってきてスタッフの顔見たらみんな謙虚だなとか、これはちゃんと頑張らないといけないと、そう思わないとみんなと志も一緒にできない
今新しく来てる人達にいつも言ってるんですよ。
話す機会があれば。
調子に乗るなと。

【安藤】僕の会社の従業員が横尾社長のセミナーを受けさせていただいたじゃないですか。
その時言ってた印象通りの方でした。
すごく謙虚な感じが出ていて、とても良い人ですよ!と。
安心してインタビュー行ってください!と。その通りの人ですね。

【横尾社長】そんなん言ってた!?(笑)ありがとう!

株式会社メモリーズ 川向和哉(かわむかいかずや)さん


質問⑩
テレビ出演の経験もいくつかあるかと思いますが、密着取材の際の印象に残っているエピソードなどをお聞かせください。

【横尾社長】うちの奥さん、プロフェッショナルファンなんですよ。
毎週欠かさず見てて、僕今回プロフェッショナルからオファーがあったと言ったら、奥さん持ってる物落として手震えてましたから。
僕が出る出ない別にしてプロフェッショナルとか情熱大陸は、遺品整理士の特集がこの2年くらいであるだろうと思ってたんですよ。
それぐらい僕が思ってるよりも世の中のスピードが速いってことですよ。

だから安藤さんもこの2、3年先のこと考えてると思うんですけど、その考えてることがもう1カ月後とか2カ月後とかになったらやばいってことですよ。
だから全然先見えてないってこと。
それぐらいスピード速いんですと。
自分で考えてることは実はもう1年後2年後とか思ってることが、半年後くらいかもしれないってことで、もっと長い先を見ないとダメ。
俺でも2、3年だと思ってることがすぐ来た。
これ、自分自身やばいなと思いました。
それぐらい世の中の人はこの業界に対して興味があって、知りたいという思いもあって、業界が育ってるんだと。

【安藤】でも横尾社長と会社からしたら、すごくうれしい誤算だったんじゃないですか?

【横尾社長】嬉しい誤算じゃない。
正直言いますと、めちゃくちゃプレッシャーでした。
だってメモリーズの特集じゃないんですから。会社の特集じゃないですから。
『遺品整理士の特集』ってことは、僕のやり方全部さらけ出して、それで感動を与えなかったら全国の頑張ってる遺品整理士に迷惑がかかるんですよ。
メモリーズだけのバッシングだけで終わらないんですよ。
なんだ今回の遺品整理士ってしょうもない回だったなと。

あの時は、「遺品整理はやっぱり遺品整理士に頼まないとダメだな!」と思わせないと!とか、みんなの頑張りにも応えないと!という感覚でしたね。
テレビに出る以上はプレッシャーなんですよ。

だからNHKさんに言ったのは絶対に依頼者さんの顔出しOK取らないと、この回はしょうもない回になる!と。
最初のあの不安な状態からスタートして、終わるときには感謝の涙もしくは依頼者の笑顔、その感情の移り変わりが映せないと、これはもう番組として成り立たないぞ!と。
俺の一番の強みはそこだと。
最初不安な状態の顔してるところから最後笑顔で終わらせる!もしくは感動させて泣いてもらうから!それ絶対やるから!
密着の間に何個かそれ絶対やってみせるから!
で、それを顔出しOKにするのはあなたの仕事。
そうじゃないとこの番組はやる意味がないとNHKの人に言ったんです。

NHKは見事に応えました。
すごいなと。

満足感があったから、終わったとたん俺ツイッターどんだけ見たか(笑)
比較的工程が良かったなと。
ただ、ハードル上げすぎた。
逆に全国の遺品整理士のみんなにプレッシャー与えてしまった。

【安藤】確かにすごい完成度高かったですね。

【横尾社長】ハードル上げすぎたよね。
自分自身もそうですよ。
俺見積もり行ったら泣かれますもん。
社長来てくれたって言って。
だからメディアのパワーはすごいなと思いましたね。

【安藤】さっき、昨日タクシーに乗ったって話したじゃないですか。
タクシーの運転手さんに今回この地域には、こういうインタビューの仕事で来たんですよと言ったら、「あー見たよ。良かったね~あれ!感動した。」と言ってましたよ。
結構見てる方多い、特にビジネスマンで見ている方が多いと思います、あの番組。
しかし、すごい密着取材でしたよね。

【横尾社長】すごい密着でしたね。
バンドでサックスやってるシーンも3つぐらい撮ってるんですよ。
従業員の結婚式もロケ中にあったんですよ。僕スピーチして、結婚式場でサックスやってたんですよ。
全部カットですよ。

【安藤】ああいうのってやっぱり相談とかないんですね?
向こうで完全に編集されますよね!

【横尾社長】ないです。
現場中もインタビューは一切なしで最後までいって、後で聞かれるんですよ。
こうだったんだ、ああだったんだということを現場作業中にあったことを。

ナレーションしてる有名な方いるじゃないですか?
今回出番がいつもの半分くらいらしくて、ほとんど僕の言葉だった。
だから収録すぐ終わったみたいで。

でも今回不安だったのが、プロフェッショナルと呼ばれるにはそういうステータス的なものがあって当たり前で、NHKそこ大丈夫なのかと。
で、とりあえずやると言ったけど、基本的にはテレビ的にわかりやすい実績はない。
でも、その中で密着を重ねるうちに、横尾の人柄で行け!とプロデューサーが言ってくれた。
それが今回ハマった。
今回の遺品整理士の回はね、逆に言うとそのステータスだけじゃないんだ!という実績を作ったのかなと。

【安藤】人柄は本当に重要ですよね!ご依頼者さんの安心感に直結しますしね!あとご依頼者様の本来の人柄を引き出すというか…

【横尾社長】まあ、お客さんが業者に頼むことがすごい勇気ですし、その時点で気持ちを断ち切ってるから作業中も、もうなんやかんや一緒にやってくれるでしょ!
作業をするこっち側からしたら「この人あまり想いないのかな!?」とか感じそうになる時もあるんですけど、違うんですよ。
業者に頼んだ時点で業者に気遣ってくれてるんですよ!あれは。

本当は本心は隠してるんですよ。
でも、僕らはそこに入りこんでいくわけですよ。
そしたら心の中の本当の想いが出てくるわけですよ。
それで見事に出た!ってなって、それを見て、そうなんだな!と。

この話で確かにと思った業者の人なら、やっぱりその業者は伸びると思います。
僕自身も気づきましたもん。そこを理解していかないとダメです。
どんなに明るく振る舞ってる人も本当はそうじゃないかもしれない。
逆にどうでもいいと思ってる人になんやかんや言っても、もう少し時間が必要なんです。
そういう時は逆に一切何も言わないで淡々と不用品処理やればいいんです。
そのアンテナ持ってないとダメです。

【安藤】常に依頼者さんの気持ちや想いにアンテナを張り続けることは本当に必要なことですね。


質問⑪
【遺品整理 想いて】に何か一言だけでも良いので応援メッセージを頂けると幸いです。

【横尾社長】整理を通じてその人の人生を見る作業をしないとダメですね
そこからやっぱりお客さんとのつながりが見えてくる。で、それを通じて自分とお客さんとの距離を詰めていく。

僕が何を気にするかというと、依頼者と故人の距離
親子とか姪子とか親戚とか。
この人はどう思っているのかな?故人のこと。っていうのを、僕は物を介して探るんです。
探りながら相手の顔色をほぐして行きながら僕との距離をぐっと縮めるんですよ。
その作業をしている。

それをやるには住んでた方の物を淡々と整理するのではなくて、この人はどういう生まれでどういう人生歩んできたんだろう?そういう興味を持っていくと整理人ってすごく成長すると思うんですよ。
だからそういう思いを不用品を処理するということではなくて、依頼者の心の整理をするっていうスタンスをスタッフがどれだけできるかですよね。
だからちょっと仕事の目線を変える。
それができたら、この遺品整理という仕事をできない人って僕から見たらあんまりいないです。

それをスタッフができるようになれば強い会社になると思うし、あとはモラルですよね。
指輪一個、現金ひとつにしてもこれを返して、当たり前ですけど、そういう誠実さとかを持ってれば世の中があなたを見捨てない、それは僕いっつも言うんです。
だからそのモラルをちゃんと持って正しいことをして、会社が正しいことを常にして、その誠実さが僕たちをこの先何十年間ずっとこの仕事で食べさせてもらうんだ!と、それは僕らが誠実である事が当たり前というのをみんなで共有しないと。

だから、ごちゃごちゃ誤魔化してたら世の中に食われるし、従業員もあんまり続かない人もいるし、僕ら経営者たちは時に鬼の采配をしなくてはいけないし、そういう時にいろいろあることないこと言う人間がいるから、会社としてはコンプライアンスはバチっとやって、多少原価上がろうが何しようがですよ。

今うちはメディアにも出てるんで、メモリーズは環境面はちゃんとやってるってイメージ持ってもらってるんですけど、でもやっぱりあちこち県をまたいで行くわけで、事あるごとにに敵も多くなると思うので、なんか来た時も、何が悪いんですか?っていう状態にしておかないとダメですし、そういうのはやっぱりスタッフが続けるためには、こうやってちゃんとやって生き残っていくんだということをやっていかないといけない。
なんかこの現場面白い物いっぱい出てきて楽しいという感じでやってたらまずい。宝探しじゃないってことを。

【安藤】今横尾社長の話を聞いていて、思い出した事があって。
テレビの時の最後の依頼者の方がお父さんと疎遠だった話なんですが、あれがすごく感動したんですよね。
横尾社長がどうしても立ち会ってほしいという流れから遺品を自分で見つけ出す、そして故人とのことをいろいろ思い出していくということで放映されてましたが、実際現場ではどのような感じだったのかな?と。
テレビ的に見えるところがあるのかなと思ったので。
要は僕はすごく感動したんですけど、実際にそのご依頼者の方はテレビ入ってる入ってない関係なくあのような感じで「疎遠になっているからいいんです。」と言ってた感じから、最終的に、「ありがとうございます!」という形になったのか?どうかという部分ですね。

【横尾社長】でも、立ち会おうとしてくれたということは、何かずっと疎遠にしていたことに対して自分の中での責任がでて、このまま片づけてこのまま人生生きていくよりは、そこを一度見て、父がどういうことをしてたのかを見届けようという姿勢を持った。
それに対して、僕らは全力で応えなきゃいけない。
そこで絶対産んでくれてありがとうと思わせないとだめなんですよ
だから、それはもう、かなり気合い入れてやりましたけど、全然出てこなかったんですよ。
もうお父さん自身は過去を断ち切ったのような感じ。
過去の物が全く出てこないなーと。

最終的には出てきましたけどね。
途中から依頼者さんは、お父さんと自分が一緒に居た時の思い出を探し始めたんですよ。
で、思い出の木刀が出てきた時に、自分がしばかれたあの木刀を、思い出の物を持ち帰る箱に入れるわけですよ。
僕は思いましたよ!そっちに入れるんだな!と、そういうハート持ってるんだな!と。
それでその次にあの囲碁の写真が出てきて、あれやっぱすごい感動したんですよ。

直後に「もっとかまってやればよかった」という言葉を。
あれは僕も泣きそうになりました。
あの言葉を出さすという、それなんですよ。
淡々とやってしまったら出なかったかもしれない。
そこでやっぱり思い出を振り返りながら整理してもらって、もっとかまってやればよかった!って、あのセリフがたくさんの人が共感できたと思います。

僕も高校の時のラグビーのマネージャーが、「親が亡くなったんです」って連絡もらって、5月に亡くなったんですって。
葬式も泣けなかったと。
でも放映後ずっとメール来てて、今まで泣けなかったけど、今やっと泣けました!と言って電話掛かってきて。
そういうの聞くと僕らは一個の現場に対してどれだけ熱意を持ってやるかによって全然違う。

限られた範囲で、費用のこともあるんですけど、それを僕らがその現場に対してお客さんにどれだけのことを返してあげられるか、ということで、その人の今後の人生が変わるぐらいの仕事をする時があるんですよ。
絶対あるはずです。
何個かに1回絶対あるんですよ。
0じゃないんですよ!残念ながら。
でも、そのアンテナも張ってないとダメ。

それを取れたのがよかった。
でも、あの収録後、僕一切NHKの人と話してないですよ。終わるまで。
だからそこで出てくる僕の言葉全部終わってからのインタビューです。
で、最後の依頼者さんの話、僕全然知らないです。
終わって僕もう帰ってますから。
NHKの人が残って、後でインタビューしてますからね。

【安藤】僕もめちゃくちゃ感動したというか…。
やっぱりひとつひとつの横尾社長の想いの積み重ねで、メモリーズの今があるような感じがすごい伝わって、本当に積み重ねなんだなと。
依頼者に寄り添うところが一番大事だと
その辺は本当に学ばせてもらったので、僕らもしっかりやっていきたいなと思います。

たくさんのご質問へのご回答ありがとうございます。
今後とも距離はありますが、メモリーズと横尾社長のことを応援していきますので、我々【想いて】の事もたまに思い出して気にかけてくれるとありがたいです。

本日は本当にありがとうございました。

 

インタビューまとめページに戻る

 

最上部へ最上部へ

お問い合わせはこちらから