決意の生前整理♦密着レポート
「遺品整理」はわかるけれど、「生前整理」はまだ知らないという方へ──必見のレポートです。
今回、当社「想いて」に生前整理を依頼してくださった横浜在住の長岡敦子様(仮名・81歳)に密着取材し、その一部始終をお伝えします。
生前整理とは? 遺品整理とはどう違うの? 生前整理のメリットとは? などなど、生前整理の全容を大公開します!
生前整理を知るきっかけは娘のママ友でした
長岡さんの娘・紀子さん(仮名・55歳)は、実家からすぐ近くに住んでいることもあり、休日にはいつも長岡さんを訪ねてくるそうです。お茶を飲みながら、いつもの世間話に花を咲かせていると、紀子さんがふと、「ママ友の家に遊びに行って来たら、すっきり片付いていたの」と話し始めたそうです。
「なんでも、一緒に暮らしているお姑さんが、“生前整理”とやらを始めたらしく、リビングでホコリをかぶっていたぶら下がり健康器具や古いソファなどがすっかり片付けられ、歩く動線も広がり、暮らしやすい居住空間になっていたと娘は興奮して話していました。そのとき、娘は普通の口調で“生前整理”と言っていたのですが、最初、私は聞いたことがなく分からなくて…。遺品整理かなと思いながら聞いていたんですが、片付けた空間に手すりを付けたりして歩きやすくなったと話しているので、ああ、最近は片付けや家財整理のことを“生前整理”と言うのかしら、と思いました」
よほど印象的だったのでしょう、長岡さんの頭の片隅に「生前整理」という言葉がどっしりと居座ってしまったと苦笑されます。
「ママ友さんのお姑さんの年齢を聞いてみたら、78歳というじゃない? 私といくつも変わらない年齢でお元気だと言うし。確かに、我が家にも物がたくさんあるけれど、不用品とまでは思っていなかったし、今さらそんなに大それたことをするなんて、自分にはエネルギーがないと思っていたんです。その方は二世帯住宅だから、そうしたことができるのね、と他人事でした」
転ばぬ先の杖にと、生前整理を心に決める
数日後、再び娘の紀子さんと会話をしていたとき、長岡さんは思わず胸がドキッとしたと振り返ります。
「一年ぐらい前のことですが、ご近所で、一人暮らしをされていた高齢の男性が亡くなったんです。葬儀やら何やらが落ち着いてしばらく経ったころ、息子さんが家財道具の片付けをするのに業者さんを探しているという話を娘から聞きました。そこの息子さんと娘は、同じ中学校の先輩後輩で、小さいときからの顔なじみなんですよ。良い業者さんが見つかって遺品整理をお願いしたそうです。私も遺品整理という言葉は聞いたことがあり、なんとなく頭の中で想像してわかったつもりになっていたのですが、遺品整理というのは故人の持ち物の大半を処分する作業なんですね。
使う人がいなくなってしまえば、家財のほとんどは不用品、つまりゴミになる──娘の話を聞いているうちにその当たり前に気づきました。しかも、大半が処分のため費用も高額になりがちだと話す娘の様子を見ていたら、なんだか身に詰まる思いにかられました。娘は、私に家財整理や生前整理をしてもらいたくて話したわけではないと思いますよ。だけど、少しでも元気なうちにこそ、人生の大掃除をしよう。娘に迷惑をかけないようにしなくちゃ。そう、強く心に言い聞かせ、私も生前整理をやってみようと決意しました」
娘さんがネットで「想いて」を見つけた!
長岡さんは娘さんに自分の決意を打ち明け、娘さんに協力してもらいながら、二人で少しずつ片付けを始めることにしたそうです。
「主人が亡くなって三年余り。押し入れの奥から、主人が集めていた古銭やカメラが出てきたときは、懐かしいやら寂しいやらで…。娘と二人で『あのときはこうだったね、ああだったね』と涙交じりに時間ばかり過ぎてしまいました。
過去の記憶を語るのは楽しい反面、その後はどっと疲れます。複雑な気持ちも交錯して片付けは一向に進みません。やっぱり、いろいろな思いをするぐらいなら、いっそ、もう片付けなんて止めてしまおうと思いました」。
娘の紀子さんも同様の気持ちを抱いたのでしょう。自分たちだけでは片付けられないと悟り、インターネットで生前整理を行う業者を検索し、「想いて」を見つけたそうです。
「娘が、生前整理をしてくれる会社があるからお願いしようと言ってきて…。正直、知らない方を家に上げて、いろいろな物を片付けてもらうなんて、私は嫌でした。でも、聞けば、経験豊富なプロのスタッフばかりだというし、なにより、電話の応対がとても懇切丁寧だったので安心できたと娘が言うんです。私は娘の判断を信じました」
不用品の中から骨董品も見つけてくれた
長岡さんと娘の紀子さんは、生前整理の実施日当日、少し緊張した面持ちで私たちの訪問を迎えてくださいました。まず、リビングの大半を占めていて荷物置き場のようになっているソファを片付けたいこと、長岡さんが快適な一人暮らしを続けるために安全な動線を確保したいことなど事前の打ち合わせ通り、作業を実施していきました。ご主人の遺品であるカメラ、古銭なども使い道がないとのことでしたので、価値のある骨董品として買取をさせていただきました。
「不要な物はすべて処分品と思っていたので、買取品が出てきたのは驚きでした。なんだか儲かった気分ですよ(笑)。友人や知人から旅行のおみやげにもらった人形や小物もホコリをかぶる一方だったので、この機会に処分させていただきました。目標は、掃除がしやすく、歩きやすい部屋。ソファをなくした分、広い動線が取れたのですが、広いとなんだか歩く時に不安なんです(笑)。だから私も、介護用の手すりを設置しました。昔の着物も、主人の洋服ダンスも処分して、自分一人で暮らすために必要な物と、愛着のある物だけを残しました。主人と結婚して子どもが生まれて、家族の人数に合わせて家具や物を買ってきましたが、よくよく考えたら、一人になったのに家具や物は大家族のままだったんですよ。暮らしにくいはずですよね。すっきりと身軽になった今、本当に清々しい気持ちで生活ができています。あと、このことは娘には内緒なのですが…、私が亡くなった際に形見として娘にあげる物も決めることができました。娘が必ず気づくところに、箱に入れてしまっています。だけど、生きている間に形見分けのことまでできるとは、夢にも思いませんでした」
最後に、「想いて」のスタッフの働きぶりについても伺いました。
「みなさん、良い方ばかりでしたよ、本当に。親身になってくださり、これからの暮らしぶりのことを考えて、臨機応変にいろいろ提案してくださいました。天袋から昔懐かしいアンティークの時計が出てきたとき、処分しようかどうしようか迷った時も、急かさず、私の気持ちを第一に考えてくださいました。ありがとうございました。こういう世の中のためになる会社があるということを、もっとたくさんの人に知ってもらえるよう、私も宣伝しますからね(笑)」
満面の笑みを浮かべながら、そう語る長岡さん。一人暮らし人生の第二のスタートが始まったようです。
娘の紀子さんとの後日談──
「先日は、母の生前整理をしていただき、ありがとうございます。想いてのみなさんにお願いして本当に助かりました。母と私の二人だけだったら、片付けに何年かかったかわかりません(笑)。プロの目からいろいろアドバイスをしてくださり、手際の良さもさすがでした。そうそう、近所の先輩の家の遺品整理も『想いて』のみなさんのお仕事だったと後から聞きました!先輩に、『うちは、生前整理にしたのよ』と話したら、『紀子らしい賢い選択だ』ですって。でも、本当にそう思っています」