少し落ち着いたら最初に確認したいこと
少し落ち着いたら、これからの手続きで必要になる書類と、手続きの前提になる事項を確認しておきます。
申請書類や証明書類の種類や内容について知り、それぞれ入手する方法を調べて、どの方法で入手するか予定を立てておくことも大切です。
○相続人や遺言などについて確認しましょう
自分たちのケースでは、相続財産は何があるか、誰が相続人になるのか、遺言はあるのかないのか、相続税はかかりそうかなど、予め検討をつけておきましょう。
具体的に調べたり、計算するのは時間がかかります。しかし、遺言のあるなしや、相続税の課税・非課税で後の手続きは大きく変わってくるため、早めに調べておくにこしたことはありません。
手続きに必要な書類を入手する方法
これからの手続きで必要になる届出書・申請書の用紙、証明書類などを入手する方法を確認しましょう。申請の用紙や証明書を手に入れるとき、全て窓口に出向かなくても大丈夫です。
戸籍謄本や住民票は、以前から郵送による請求・送付を受け付けていますし、最近ではコンビニでの交付サービスに対応する市区町村も増えています。
特にインターネットでは、申請の用紙などが手に入るほか、コンビニや郵送、窓口で手続きする方法についても情報が得られます。
可能なら、まず手続きをする市区町村のホームページをチェックして、情報を入手するのがおすすめです。
※コンビニで証明書などを入手したいとき
コンビニでの交付を利用できるのは市区町村に住民票がある人で、マイナンバーカード(または住民基本台帳カード)と利用者登録が必要です。
書類の入手場所とその種類
インターネット ○各種届出書・申請書の用紙(ダウンロード) ○各書類の記入例 |
コンビニ ○戸籍謄本・住民票・印鑑登録証明書 |
郵送 ○戸籍謄本・住民票 |
窓口 ○全ての届出書・申請用紙 ○戸籍謄本・住民票・印鑑登録証明書 |
○戸籍謄本について確認しておきましょう
手続きの時に必要になる書類の中で、最も重要なのが戸籍謄本です。戸籍謄本は、相続の手続きのほとんどで添付書類として提出が求められます。また、最終的に相続人を特定する際などには、重要な資料としても必要です。その時になって迷わないよう、謄本の種類や請求の方法などをあらかじめ確認しておきましょう。
除籍謄本・改製原戸籍謄本とは
戸籍謄本は、コンピュータ化した後は「戸籍全部事項証明書」という呼び方をします。戸籍に記載されている全員分の証明書で、一部の人だけのものは「戸籍抄本(こせきしょうほん)」です。これとは別に、「除籍謄本」「改製原戸籍謄本」が必要になることもあるので、注意しましょう。これらの謄本の取得は、本籍地の市区町村役場で行います。
○戸籍謄本:戸籍に記載されている全員分の証明書 ○戸籍抄本:戸籍に記載されている中の、ある一部の人だけの証明書(戸籍個人事項証明書ともいう) ○除籍謄本:戸籍に載っていた全員が、死亡や結婚によって、その戸籍から外れた戸籍の写し(その戸籍には、現在誰もいないことになる) ○改製原戸籍謄本:昭和と平成に行われた戸籍の作り替え前の戸籍の写し |
↑戸籍証明等請求書の記入例(横浜市の例)
○住民票・印鑑証明書について確認しましょう
住所地の確認のためには住民票、実印の確認には印鑑登録証明書も必要です。よく「住民票」という言い方をしますが、住民票の原本は請求できないので、正確には「住民票の写し」といいます。住民基本台帳がある市区町村役場が発行する住所関係の証明書です。
引越しや死亡などによって、住民票に誰も残っていない場合は「住民票の除票の写し」を求められることがあります。ただし、保存されている期間は五年間だけです。住所変更の履歴を全て確認したいケースでは「戸籍の附票の写し」が求められます。
「印鑑登録証明書」は、相続の書類などに押した実印が実印であることを証明する証明書です。
住民票の写しも印鑑登録証明書も、住民登録をしている市区町村でしかできないものです。